陸域のCH4収支やその変動要因を定量評価することは、全球の温室効果気体収支や温暖化予測を向上させる上で喫緊の課題である。これまで陸域CH4収支の評価法は、個別の地点で観測されたCH4収支と環境要因とを統計解析するか、検証が不十分なモデルによる広域推定にとどまっていた。多地点の地球観測データを用いて数理モデルのパラメータを直接的に決定し、データ駆動による陸域CH4収支を決定する要因や気候応答を評価できたことは、プロセスモデルの高度化に貢献できる。数理モデルを使ったデータフュージョンを行うことで、得られたCH4収支の変動を粗過程に遡って評価できるホワイトボックス型の推定が可能となった。
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