研究課題
挑戦的研究(萌芽)
血液循環時の物理刺激が誘導するがんの転移に関する新たなメカニズムを解明するため、方法論として、生体内の3次元的な血管狭窄構造を正確に微細加工技術により再現し、そこを通過するがん細胞の挙動と機能を詳細に解析する技術を開発した。生体外に3次元的な血管狭窄部モデルを形成し、そこを通過するがん細胞の動態の蛍光イメージングおよび効率的な細胞サンプル回収機構を実現した。
マイクロ・ナノ工学
がんによる死の多くは転移を伴う。したがって、転移メカニズムの解明は急務であるが、生体内では血流中の細胞の動態を1細胞レベルで追跡することは、極めて困難であることから、本モデルにより細胞動態が解析できるようになることは、がん転移の理解につながることが期待される。細胞・核内の挙動や遺伝子発現・変異を1細胞解像度で解析することで、血流中でがん細胞がどのように生き延び、そして他臓器への転移に至るのか、という疑問を細胞の物理的な挙動から理解することが可能になると期待される。