東京帝国大学は、1923年の関東大震災によって図書館の蔵書の大半を焼失した。「英国書史関係集書」は1929年に英国政府から寄贈された貴重書である。コレクションは15世紀後半から20世紀初頭の書物の歴史を伝える文献である。本研究では書物の文化的意義を検討するべく、四世紀以上に渡ってどのように装幀が制作されたのか、製本構造の調査に取り組んだ。調査においては、検索のできるデータベースを作成した。コレクションの選定基準が明らかになり、著名な製本職人や製本工房の作品が多数含まれていることを発見できたことは本研究の大きな成果である。
|