研究課題
研究活動スタート支援
本研究は歴史的仮名遣いを発見したと評される契沖『和字正濫鈔』(元禄8年〈1695〉刊)の成果を、仮名遣いにおける学問の連続性という観点から捉え直すことを目指すものである。『和字正濫鈔』と先行する仮名遣い書を対照させ、影響関係を調査したところ、荒木田盛徴『類字仮名遣』(寛文6年〈1666〉刊)と『初心仮名遣』(元禄4年〈1691〉刊)と合致する語が少なからず存在することを明らかにし、『和字正濫鈔』は先行仮名遣い書の成果を取り入れた上で成立した可能性が高いことを明らかにした。
国語学
仮名遣い研究において画期的な成果と見なされてきてた『和字正濫鈔』を、仮名遣いにおける学問の連続性という観点から捉え直したことの意義は大きい。また、『和字正濫鈔』に掲載された語を計量的に分析する方法は、今後、他の仮名遣い書研究にも活用できるものと期待される。