本研究は、アンドレ・ブルトンの1940年代以降の自動記述(オートマティスムにもとづく詩的実践)について、その視覚的・造形的性質を中心に検討することを企図したものである。比較的論じられることのすくなかった、40年代以降の自動記述およびオートマティスムについて、分析の視点を提案することが、本研究の意義となる。 ブルトンの自動記述にかんする翻訳・解説の執筆をすすめたことには(その刊行は研究期間内には果たされなかったが)、一定の意義があったと考える。また、1940年代以降のシュルレアリスムについて、マンガを中心としたイメージの問題にかんする調査をすすめ、その一部を公表することができた。
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