この研究では財政規律の確保に向けた取り組みとして実施される地方自治体の財政状況の公表と歳出の削減に向けた取り組みにそれぞれ着目し、公表される財政状況自体が不透明なものとなる会計操作が地方自治体によって行われる状況がどういうものかや、財政状況と非正規雇用の職員数が連動するのかなどについて調べた。その結果、債券発行に伴う不利益回避のために会計操作が行われるということや短期的な財政状況の変動ではなく、構造的な行政需要の拡大によって非正規雇用の公務員が増加しているということなどの事実を明らかにした。また、市町村合併の取り組みが必ずしも歳出削減に繋がらなかったことなども明らかにした。
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