研究課題/領域番号 |
20K22153
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研究機関 | 北陸学院大学 |
研究代表者 |
松本 理沙 北陸学院大学, 人間総合学部(子ども教育学科), 講師 (00880494)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | きょうだい / きょうだい児 / きょうだい支援 / ヤングケアラー / 子どもケアラー / 若者ケアラー / ケアラー / ケアラー支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、きょうだい支援団体の運営者の立場(きょうだい、親、専門職者等)の違いに着目し、立場の違いがきょうだい支援の実践・啓発に与える影響を明らかにすることを目的とする。また、きょうだい支援団体の提供する支援が、参加者のきょうだいのニーズにより寄り添った支援となるためのフォロー方法に関する研究も行い、きょうだいが必要としている実践・啓発を明らかにすることも目的とする。 2020年度、障害児者のきょうだい支援団体の運営者25名に対し、インタビュー調査を実施した。きょうだいの立場の調査協力者からは、自身の「きょうだい」としての悩みを抱えた経験と「きょうだい」の立場の方との関わりについて、きょうだいの立場以外(親・専門職等)の調査協力者からは、自身の「きょうだい」の立場の方との関わりについて聴き取りを行った。調査協力者の背景を踏まえた上で、きょうだい支援団体の運営の現状や課題、きょうだい支援団体が提供する支援ときょうだいのニーズが不一致だった場合のフォロー方法などに関する調査も実施した。 2021年3月、一般社団法人日本ライフストーリー研究所主催の研究会において、調査に基づく研究報告を行った。2021年度も調査データの分析を継続し、学会報告や論文投稿等を進めていく。 また、本研究と関連して、特定非営利活動法人しぶたね『病気や障害のある人の「きょうだい」の経験共有の場「シブパネル」開発事業』や、一般社団法人日本ケアラー連盟ヤングケアラープロジェクト『スピーカー育成講座』、その他きょうだい支援・ヤングケアラー支援の活動等に携わってきた。これらの活動に携わることで、きょうだい支援の実践・啓発に関する研究に必要となる知見を得ることができたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、インタビュー調査の実施方法については、対面からオンラインへの変更を余儀なくされた。しかし、オンラインの利便性により、当初の計画より多くの調査協力者を得ることができた。多くの調査データを得られたことで、当初の予定よりもデータの分析に時間を要することとなったため、区分を「(3)やや遅れている」としたが、データが多い分、研究結果の信頼度は高まると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度、The 8th national Sibling Leadership Network (SLN) Conference等に参加し、きょうだい支援に関する研究・実践等の情報収集を行う。 また、研究代表者がきょうだい支援活動の拠点としている北陸地方において、きょうだい支援の実践・啓発を促進するプロジェクトの実施も予定している。具体的には、北陸地方における子どものきょうだい支援を広めるための事業の展開や、北陸地方と東海地方の大人のきょうだい支援団体で合同開催するイベントの実施等である。これらの活動も、研究に活かすことができると考えられる。
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