発達障害児の子育て経験者には、当事者ならではの知識や経験の積み重ねがある。本研究は、地域で活動する発達障害児の親グループにおいて、当事者と専門家との協働により「行動理論に基づく講義」と「発達障害児の子育て経験者の知識や経験を積極的に活用したグループワーク」を中心とした親支援プログラムを2年間で2クールを実施した。その結果、参加者の子育てにおける行動変容と精神的健康に対して安定した結果が得られた。また、経験者と未就学児の親が同一のグループで問題解決を行うことで、同年代の親との「ヨコのつながり」と経験者との「タテのつながり」の存在が、参加者相互のエンパワメントに影響を及ぼすことが示唆された。
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