研究課題/領域番号 |
20K22198
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研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
中橋 葵 京都文教大学, こども教育学部, 講師 (40878261)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | サビタイジング / 幼小接続 / 数 / 算数 / 視線情報 |
研究実績の概要 |
2020年度は、少人数の幼児または児童を対象に予備調査を行うことを計画していたが、関西地方に度々新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言が発出されたことにより、実施することが難しかった。そこで、視線計測器を使用した調査の実施に向けて、課題の明確化のための既存データの再分析を行い、2020年11月に日本数学教育学会第53回秋期研究大会(オンライン開催)にて成果を公表し、専門家による指導・助言を得た。また、視線計測器を購入して成人を対象とした予備調査を実施し、参考データの収集とともに幼小接続期の子どもを対象とする調査の実施に向けた調査方法の精査等を行った。 さらに、サビタイジングを基盤とする認識の発達と学びの道筋に着目して、幼小接続期の適切な教育の実現にむけた幼児期および就学当初のカリキュラムの検討を行い、2021年3月に2021年度数学教育学会春季年会(オンライン開催)にて成果を公表し、専門家による指導・助言を得た。なお、その内容に大幅に加筆・修正した論文を執筆し、現在投稿準備中である(数学教育学会誌)。 上述のことは、視線計測器を使用した幼小接続期の子どもへの調査の実施と、サビタイジングを基盤とする認識の発達と学びの道筋の検討に向けて、意義のある成果であったと考えている。実際に、2020年度末から現在にかけて、2021年度の調査(対象は小学校第1学年の児童を予定)に向けて、研究協力校の倫理審査委員会への申請書類等の作成や、研究協力校への依頼・調整を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、少人数の幼児または児童を対象に予備調査を行うことを計画していたが、関西地方に度々新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言が発出されたことにより、実施することが難しかった。一方で、視線計測器を使用した調査に向けて、課題の明確化のための既存データの再分析を行ったり、成人を対象に視線計測器を使用した予備調査を実施したりすることにより、視線計測器を使用した幼小接続期の子どもへの調査の実施と、サビタイジングを基盤とする認識の発達と学びの道筋の構築に向けて、意義のある成果が得られたと考えるため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度上半期は、幼児期における遊びを通した指導によってサビタイジングを基盤とする認識を育むための保育者の見とりを支える資料について検討する。検討にあたっては、これまでに保育者を対象として実施したアンケートと自由遊び場面の観察資料を活用する。さらに、幼小接続期の子どもを対象に、視線情報の取得を伴うサビタイジングを基盤とする認識の実態調査を行う予定である。なお、調査は研究協力者の健康を最優先に考え、新型コロナウイルスの情勢を考慮しながら可能な範囲で行うこととする。上半期の成果については、2021年5月の日本保育学会第74回大会にて公表する予定である。 2021年度下半期は、視線情報の取得を伴うサビタイジングを基盤とする認識の実態調査の結果を分析し、考察を行うことを予定している。下半期の成果については、2021年11月の日本数学教育学会第54回秋期研究大会にて公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、関西地方への度々の新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言の発出により、視線計測器を使用した予備調査の実施内容を変更する必要があった。そこで、視線計測器による視線情報の収集やデータの分析に必要な解析ソフトのリース期間の調整を要したこと等に伴い、次年度使用額が生じた。次年度に小学校第1学年を対象とした調査を計画しているため、その調査の実施のために使用することを計画している。
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