難民への教育は受入国民向けと別系統で提供されてきたが、難民状態長期化にともない、難民を公教育システムに包摂する方法が途上国で主流となった。本研究は、難民と受入地域双方の教育の質改善に同時に資するとされる本支援策の成果の実態を検証するため、ウガンダ北部西ナイル地方で行われた学力テストのデータを利用した分析を行った。分析結果は、現地校に通う難民児童の学力は、英語では違いがみられなかった一方、算数で援助機関支援校に比べ低いこと、全校児童に占める難民割合の多い現地校に通う難民児童の学力が英語と算数の両方で低いことなどを示し、モデルケースとされてきたウガンダの取り組みの可能性と限界を示している。
|