本研究では、情報通信技術(Information and Communication Technology: ICT)を用いた遠隔心理療法の提供に関する基盤整備のために、尺度の日本語版作成、インタビュー調査を行った。また、遠隔認知行動療法の役割と限界についての文献研究を行い、遠隔認知行動療法が支援の提供可能性を広げる一方で、デジタルデバイド、クライエントの病態や障害、緊急対応の点からは適用の限界が生じうることを示した。遠隔心理療法の役割と限界を認識したうえで、「誰一人取り残さない」よう心理的援助を提供することの重要性が示唆された。
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