研究課題/領域番号 |
20K22298
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
キーワード | 複合媒質 / 形状最適化問題 / 優決定問題 / 過剰決定問題 / 楕円型偏微分方程式 / 分岐解析 / 対称性 / 陰関数定理 |
研究成果の概要 |
一般に、ある領域で与えられた偏微分方程式を満たす関数は無限に存在する。一方、境界上の挙動も指定すれば、解が一意に存在する。本研究では、2つの境界条件を同時に課した偏微分方程式の「優決定問題」で与えられた複合媒質の数理モデルを考える。これは、1971年にSerrinが単一媒質の場合に導入した優決定問題を複合媒質の場合に拡張したものであり、この特徴の一つは、ある特殊な領域に対してのみ解を許すことである。単一媒質の場合では、解を許す領域は球に限る。一方、複合媒質の場合、球対称でない領域でも解を許すものが存在する。本研究では、このような複合媒質の幾何学的性質(滑らかさ、対称性の破れなど)を考察する。
|
自由記述の分野 |
偏微分方程式論
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、複合媒質の形状最適化に由来する問題を扱う。具体的には、ねじりに対する抵抗を表す「ねじり剛性」を最大化する(すなわち、最大限に頑丈な)長い棒の断面について、本研究で扱う優決定問題は解を許すことが知られている。逆にいえば、優決定問題が解を持たない場合、与えられた形状はねじり剛性を最大化しないこととなる。単一媒体の場合、最適形状の断面が円形であることは知られていたが、複合媒質の場合の最適形状については未解決であった。本研究では、複合媒質中の介在物の形状が複合媒質全体の最適形状を決定することを明らかとし、その結果、回転対称でない最適形状の族を構築することに成功した。
|