鋼橋の腐食防止のため,耐久性に優れたステンレス鋼材(SUS)を普通鋼材(SM)と併用したLCCに優れた高腐食耐久性橋梁の実現を目指す.SUSとSMの接合部で懸念される異種金属接触腐食の大気環境下における腐食程度を明らかとし,抑制手法の提案を試みた.0.1%NaCl溶液供給による腐食促進試験144サイクル後の溶接余盛近傍のSMの平均さび厚は,SUS-SM試験体でSM-SM試験体と比較し約4.7~4.9倍大きくなった.また,SUS-SM試験体の溶接部近傍では,試験体端部の約1.6倍であった.以上より,溶接部近傍(0-1cm範囲)を塗装により防食することで,異種金属接触腐食抑制の可能性が示唆された.
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