本研究で開発した超高温・高感度なTPD測定システムは,窒素含有炭素材料の定性・定量同時分析を実現し,窒素含有量が微量である場合においても分析が可能である.分析対象とした窒素含有炭素材料は,燃料電池の白金に代わる新規酸素還元触媒として期待されている.本手法により触媒中における窒素種の真の導入形態を解明することができれば,触媒性能向上に大きく貢献することが期待される. また,炭素材料中の微量不純物は黒鉛電極の品質低下に大きな影響を及ぼしている.本手法を通して微量不純物元素種の動態に関する理解が深まれば,産業界への幅広い波及効果が期待される.
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