研究課題
研究活動スタート支援
本研究では,光で充電可能な蓄電池(以下,光蓄電池)の構築に向けて,スピネル型酸化物正極を用いた実行可能性の検討を行った.得られた成果の一例として,光触媒と電子アクセプタを用いた半電池のセットアップにおいて,光照射によるリチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)からのリチウム脱離反応(充電に対応)の駆動を実証した.さらに,光充電の安定性を向上する新規組成の材料開発にも成功しており,今後の研究に向けた基盤を構築することができた.
材料工学
持続可能社会の実現に向けて,再生可能エネルギーである太陽光の有効利用は重要な課題の一つである.太陽光発電では光を電気に変換可能であるが,エネルギーを蓄えるためには蓄電池との接続が必要になる.本研究は,光による「発電」とその「蓄電」を融合したデバイスである光蓄電池の開発に向けた学術・技術基盤を構築するものであり,また将来的に開発に成功すれば社会的にも大きなインパクトを与える意義深い成果である.