線維症とは、コラーゲンなどの細胞外マトリックス物質が異常に蓄積し、臓器不全に至る病気である。このような臓器不全は、全世界の死因の約3分の1を占めている。しかし、この病気には根本的な治療薬がないため、非侵襲的な治療戦略の開発が重要である。本研究では、非熱的治療法である非収束超音波照射を用いた線維化組織の軟化法を開発した。定在波でキャビテーションを発生させると、照射時間に依存して線維組織の機械的強度が低下することがわかった。また、超音波キャビテーションによるコラーゲン繊維の破断により、照射後に線維組織の外観が変化した可能性がある。この方法は、広範囲の線維性組織の治療に応用できる可能性がある。
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