アセトバニロン(AV)はリグニンの酸化分解によって生成する主要な芳香族単量体であり、AVなどのアセトフェノン類は細菌に対して抗菌性を示すことが知られている。本研究は、AVの高い資化性をもつ新規微生物株であるMHK4株の解析を行った。MHK4株のAV代謝系を解析した結果、MHK4株が新規の酵素システムによってAVを分解することを明らかにした。またMHK4株をAV存在下で培養した際に転写誘導される遺伝子を網羅的に解析した結果、薬剤排出ポンプをコードする遺伝子群と相同性を示す遺伝子群が高く誘導されていたことから、これら遺伝子群がAVへの耐性を付与する因子として機能する可能性が推定された。
|