本研究では、進化的な観点から、近縁種において同じ機能の遺伝子 (相同遺伝子) を有していても、適応した温度環境が異なれば、同一の温度下でも異なる生理応答を示すという可能性に着目した。本研究では、寒冷地に生育する植物の遺伝子を、モデル植物シロイヌナズナに対して導入し、異なる温度下での生理応答を比較解析する。現在、寒冷地に生育する約10種の植物を入手し、網羅的に遺伝子配列を取得するための準備を整えることができており、さらに研究を進めている。また、シロイヌナズナ等の植物を用いて、異なる温度に対する応答を適切に評価できるように顕微鏡イメージングと数理解析を組み合わせた手法を確立した。
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