ヒツジやヤギなどの“雄効果フェロモン”は、雄から分泌されて雌の繁殖中枢を活性化させ、性腺刺激ホルモン放出ホルモン/黄体形成ホルモン分泌を促進し、最終的に卵巣活動賦活化する作用を持つ。本研究では、この雄効果フェロモンをモデルとして、その受容部位特定とその情報伝達経路を解析した。鋤鼻器閉塞ヤギにおいて雄効果フェロモンの作用が認められたことから、このフェロモンの受容部位は主に嗅上皮であることが示された。また、ヤギでは鋤鼻受容体/Gi2発現嗅神経が嗅上皮に広く分布しており、その軸索は主嗅球へと投射していた。これらの神経細胞が、嗅上皮でフェロモンを受容している可能性が示唆された。
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