研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、小腸の陰窩に位置するPaneth細胞が分泌する抗菌ペプチドおよびタンパク質の新たな産生・分泌制御機構を探索することを目的とした。これまでの研究代表者の実験から、インスリンがそれに関与するとの仮説をたて研究を行った。その結果、マウスへのインスリンの投与によって、Lysozyme(Paneth細胞から分泌される抗菌タンパク質)の染色性が減少した。加えて、マウス小腸から作製したオルガノイドへインスリンを処理したところ、Paneth細胞からの小胞の分泌が見られた。
腸内生理学
本研究は、小腸の抗菌ペプチド及びタンパク質の新たな産生・分泌制御機構を明らかにした。これまでインスリンの生理作用に関する研究は代謝関連が主であり、本研究で明らかにしたインスリンによる抗菌物質の産生・分泌の増加という現象は学術的にユニークである。インスリンは食後に血中濃度が上昇するホルモンであるため、本研究で明らかにした抗菌物質の分泌制御機構は、食後の抗菌及びその破綻の結果としての疾患と関連していると考えられる。