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2020 年度 実施状況報告書

アラキドン酸カスケードに着目した統合失調症患者の心血管性突然死の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K22689
研究機関横浜市立大学

研究代表者

服部 早紀  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30880124)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード統合失調症 / 自律神経活動 / 抗精神病薬 / 脂質代謝
研究実績の概要

本研究では、統合失調症患者の心血管性突然死の病態解明のため、アラキドン酸カスケード由来脂質メディエーターを網羅的に調査し、さらに、関連遺伝子のエピジェネティック変化の影響を調べることを目標にしている。本年度、研究の準備として、評価尺度等の見直しを行い、さらに新たな複数の関連病院で患者のサンプル採取が行えるよう、改めて倫理委員会に修正した研究計画書を提出し、審査を経て本研究の承認を得た。
本年度、対象となる統合失調症患者をカルテ上で選出することから開始した。その後、対象患者についてリクルートを開始した。血液サンプルを得て、遺伝子の抽出などを行うと同時に、各患者の精神症状評価、活動量評価、心拍変動パワースペクトル解析による自律神経活動の測定、診療録による薬物履歴の調査を行った。調査をすすめる中で、内服薬か持効性注射剤かという抗精神病薬の剤型の違いが自律神経活動に影響を及ぼす可能性が疑われた。比較的新しい治療方法である持効性注射剤単剤の患者についてのサンプル数が不足していたため、重点的に、アリピプラゾールの持効性注射剤と、パリぺリドンの持効性注射剤を単剤で投与中の患者のリクルート、心拍変動パワースペクトル解析を行った。
30例程の患者にリクルートを行い、20例の自律神経活動検査、12例の血液サンプルを得ることができた。
さらに、統合失調症患者や抗精神病薬投与中の患者における、脂質代謝ならびに心血管性疾患発症の病態に関する最新の知識を得て研究に生かすため、WEB開催の学会に参加し最新の情報取得に努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当大学病院での倫理員会申請の手続きに、予想していたより時間がかかった。また、新型コロナウイルスの影響で、他の関連病院への頻回な訪問が困難となり、対象患者のリクルートが一部の関連施設でできなくなったため。

今後の研究の推進方策

今後は、脂質の網羅的代謝を調査するにあたり、サンプル数を増やす必要があり、リクルートを重点的に行っていく。また、経過の中で、抗精神病薬の剤型と自律神経活動の関連性が疑われたため、対象薬剤を投与されている患者のリクルートを積極的に行っているが、サンプル数が集まり次第適宜解析をすすめ、結果について報告を行っていく。最終的にアラキドン酸カスケード関連遺伝子のエピジェネティック変化を探索するため、ゲノムワイドメチル化関連解析の実施を計画しており、関連施設と連携を取りながら、遺伝子抽出と解析準備も並行して行っていく。

次年度使用額が生じた理由

多くのサンプル数で解析した方が経費を削減して解析することができるため、翌年度以降にサンプル数を集めてまとめて解析を行いたい。また、新型コロナウイルスの影響もあり想定より対象患者のリクルートが遅れた。さらに、新型コロナウイルスの影響で予定されていた学会が開催されなかったことなどから、本年度使用分が減り次年度の学会参加などが必要となっている。

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公開日: 2021-12-27  

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