研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、紡錘体形成を開始させる中心体分離のタイミング制御機構に主眼を置き、この過程で重要な役割を果たす逆行性キネシンの1つであるKIFC3の機能解析を行った。その結果、モータードメインや二量体形成ドメインといった一般的なモータータンパク質の機能に重要な領域に加えて、C末端に存在する7つのアミノ酸により構成される部位が、KIFC3の機能に重要であることを見出した。また、KIFC3の中心体への局在化は、CEP170との相互作用を介していることを明らかにした。
細胞生物学
本研究では、最近同定された、中心体分離のタイミング制御機構に重要な役割を果たすKIFC3の機能メカニズムの一端を明らかにすることができた。異常なタイミングでの中心体分離は、その後の染色体分配異常を引き起こし、がんの発症原因となることが示されている。このため、本研究によって新たに見出された知見は、基礎生物学のみならず医学的にも重要な知見であると考えられる。