研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、病的な心肥大から心不全への移行におけるヒストンのアセチル化修飾部位の変化にクロマチンリモデリング因子のBRG1がどのように関与しているのかを解明することを目的とした。培養心筋細胞においてBRG1の阻害剤が心筋細胞肥大を抑制し、H3K122のアセチル化並びにH3K9のアセチル化を抑制することを見出した。さらに、心不全誘導モデルの大動脈縮窄術を施したマウスにBRG1阻害剤を投与すると心不全の進展を改善することを見出した。
薬理学
心疾患は日本人の死亡原因第2位であり、なかでも心不全はあらゆる心疾患の最終像である。これまで多くの研究が行われているが、未だ心不全の根治的な治療法は確立されていない。そのため、心不全の新たな治療標的を解明することが求められている。本研究によりBRG1の阻害により心不全の進展が抑制されることが示唆された。