本研究の目的は、ApcMin/+マウスを用いて、腫瘍内血管内皮を標的とする新たに開発された光免疫療法がマウスに自然発がんした大腸がんに有効か確認することである。血管内皮に発現するVEGFR-2を標的とした光感受性抗体化合物(DC101-IR700)を投与し、内視鏡下で腫瘍に集積する蛍光を確認した。さらに腫瘍に近赤外光を照射して光免疫療法を行い、無治療コントロールと比較して有意に良好な抗腫瘍効果が得られたことを確認した。治療後、がん細胞の消失と炎症細胞の浸潤、血管内皮のフィブリノイド壊死が観察され、病理学的にも腫瘍内の血管内皮傷害によって抗腫瘍効果が得られたことが確認された。
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