じん肺症は粉じんの吸引により進行性・不可逆性の肺線維症を引き起こす職業性肺疾患で、世界的に増加している。じん肺症の中で最多である珪肺は、シリカの吸引が原因であることが知られているが、肺線維症を発症する機序は不明で根本的な治療法はない。抗RANKL抗体は、骨粗鬆症の患者に対する使用実績から、安全性に問題がないことが証明されている。本研究で線維化肺病変の抑制効果を個体レベルで示すことができたため、速やかに臨床応用できる可能性がある。さらに石綿肺を始めとする他のじん肺症の治療に応用できる可能性も高い。
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