M16ファミリーに属するメタロプロテアーゼであるNardilysin(NRDC)を脂肪細胞特異的に欠失させたマウスに対して高脂肪食を給餌して肥満を誘導させたところ、対照マウスと比較して耐糖能・インスリン感受性が改善したという先行結果に基づき、同マウスおよび3T3-L1脂肪細胞を用いてそのメカニズムの解明に取り組んだ。NRDCをノックダウンさせた脂肪細胞は細胞の酸素消費量が低下しており、また低酸素環境下において低酸素誘導因子(HIF1-alpha)の発現が有意に低下していたころから、NRDCが細胞の酸素環境を介して脂肪組織における炎症や糖代謝を制御していることが示唆された。
|