近年、非ウイルス性肝癌患者の中にHBV既往感染マーカーであるHBc抗体陽性の患者がいることが明らかになった。これはHBV既往感染と肝癌発症に関係性がある事を示しているが、どのようにHBV既往感染者は肝癌を発症するのか謎に満ちていた。そこで、実際の検体を用いてHBVゲノム挿入による発癌の影響を調べるため、次世代シーケンス解析を試みた。新型コロナウイルスの影響により次世代シーケンス解析ができなかったが、HBVゲノムの挿入が発癌に関与することを明らかにするため、既に培養細胞で報告されているHBVゲノムの挿入部位を欠損した時の影響を調べた結果、HBVゲノムの挿入は腫瘍形成に関与することを明らかにした。
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