研究課題/領域番号 |
20K22960
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
金丸 理人 自治医科大学, 医学部, 助教 (10625544)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 好中球細胞外トラップ / 腫瘍浸潤リンパ球 / 消化器癌 / 免疫療法 / ケモカイン |
研究成果の概要 |
PMAまたはLPS刺激好中球は抗CD3抗体とIL2で活性したTリンパ球のCXCL11に対する走化性を抑制した。PMA刺激好中球の上清による遊走抑制はカタラーゼにて消失したことから、PMA刺激好中球は多量のreactive oxygen species (ROS)を産生し、アクチン脱重合を阻害することで細胞運動を抑制すると考えられた。一方、LPS刺激好中球はCXCL11を分解したが、DNase IによるNETsの分解やneutrophil elastase InhibitorやPMSFにて抑制され、遊走は改善したことから、NETsに付着したプロテアーゼが走化性の抑制の主な原因であると考えられた。
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自由記述の分野 |
消化器外科学、産科婦人科、腫瘍免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍浸潤リンパ球が多いと予後良好だが、 NETsを含めた腫瘍関連好中球が多いと予後不良であることが様々な癌腫において報告されている。近年NETsが癌の進展に関わっていることが解ってきたが、リンパ球浸潤に与える影響についてはほとんど解っていない。本研究ではNETsを含めた活性化好中球が活性化Tリンパ球のCXCL11に対する走化性を複数のメカニズムで抑制していることを示すことが出来た。好中球による過酸化水素とNETsの放出を抑制、分解することで腫瘍内へのリンパ球浸潤が期待でき、抗腫瘍効果を高め予後改善につながる可能性がある点で今後の癌免疫療の発展に繋がる重要な示唆が得られた。
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