角膜には三叉神経第一枝が角膜神経として分布している。この神経の興奮制御機構を明らかにすることが、眼表面疾患や点眼薬による眼痛や不快感の発生機構を解明する上で非常に重要である。本計画では、Campenot chamberを利用して角膜-三叉神経節の構造を細胞培養系で再構築し、物理的に分画されたチャンバーを利用して上皮細胞による三叉神経の興奮制御機構を容易に再現・解析できる実験系の構築を試みた。本実験系が完成すれば、精度の高いin vitro角膜知覚評価系となる可能性が高く、眼表面痛に対する新規点眼薬開発や、既存の点眼薬の差し心地改善に結び付く化合物の探索など創薬分野に応用できる可能性がある。
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