研究課題/領域番号 |
20K22988
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
木村 誠吾 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤医師 (10874886)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | photoimmunotherapy / glioblastoma / EGFR / IL13Rα2 / glioma |
研究成果の概要 |
近赤外光免疫療法(NIR-PIT)は、光線力学的細胞毒性と抗腫瘍免疫増強作用を利用した新しいがん治療法である。膠芽腫は、腫瘍の不均一性が高く、細胞表面抗原が多様であることが特徴であり、複数の抗原を同時に標的とするNIR-PITの方が効果的であると考えた。 In vitroでは、EGFRとIL13Rα2の両方を標的としたNIR-PITで、EGFRとIL13Rα2のみを標的としたNIR-PITと比較して、腫瘍を死滅させる効果が有意に高かった。これらの結果は、EGFRとIL13Rα2を標的としたNIR-PITが、膠芽腫に対する新規かつ有効な治療法になる可能性を示唆している。
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自由記述の分野 |
脳神経外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膠芽腫は脳実質発生腫瘍の中で最も罹患率が高く、かつ最も予後不良な脳腫瘍であり、集学的治療を行ったとしてもその平均生存期間は12~15か月前後である。そのため、NIR-PITは膠芽腫の新たな治療法として期待されている。膠芽腫は非常に不均一な腫瘍であるため、各腫瘍抗原の種類や量にはばらつきがあり、複数の抗原を標的にすることで、NIR-PITの抗腫瘍免疫活性化の効率を高める可能性がある。本研究では、悪性神経膠腫の細胞膜に高発現するEGFRおよびIL13Rα2に対する抗体を併用と単独治療とを比較したはじめての研究である。膠芽腫に対するPIT-NIRの足掛かりとなる学術的・社会的意義の高い研究となった。
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