緩和医療における重点課題としてカヘキシアが挙げられ、これは栄養失調により衰弱した状態である。我々はカヘキシアに関する評価項目や診断マーカーの確立、原因解明を目指している。本研究では、カヘキシアの原因の一つである栄養摂取不足の観点から研究を行った。 栄養に関連する項目に焦点を当て調べたところ、栄養摂取に必要な摂食嚥下には呼吸、咀嚼、姿勢が重要な因子であることを解明した。また食事摂取時のSpO2濃度と嚥下の状態、頸部周囲長と食事摂取状態、体重減少と栄養状態に関連性があることもわかってきた。これらから、今回の調査項目は栄養不良の状態と関連があり、カヘキシアを惹起する一因である可能性が示唆された。
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