薬剤性顎骨壊死において、幹細胞由来の細胞外小胞(EVs)を治療に用いた研究は現在のところ2報なのだが、さらにEVsの含有物であるmiRNAに着目し、治療に用いているものは報告されていない。MSC由来EVsに含まれるmiR-Xの細胞老化抑制効果の同定は、先端治療における無細胞療法の有用性を考えると、有意な成果である。今後期待されるのは細胞全体を送達することなく治療を達成できるという考え方である。EVsは、そこに含まれる物質(miRNA)を安定して輸送する細胞間通信ツールとして、治療標的細胞への薬物送達に利用が期待できるため、EVsおよびmiRNAについての研究を深める必要がある。
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