がん治療における化学療法は、上皮-間葉相互作用により形成される歯、唾液腺および味蕾などの様々な器官に副作用として甚大な影響を与える。Cyclophosphamide (CPA) はアルキル化剤として小児白血病の治療に用いられる。本研究では、器官培養システムを用いて、抗がん剤副作用が器官形成に与える影響を直接的に評価した。CPA添加により、正常な器官発生は阻害され、細胞死が引き起こされ、細胞増殖や分化が抑制された。そこで、本培養システムを用いて副作用の回避法を検討したところ、CPA添加による形成阻害は低温培養により回避できることを発見した。
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