本研究では,効果的な口腔ケアの介入時期を探求する一環として,口腔内で実験的にデンタルバイオフィルムを作製することができるin situデンタルバイオフィルムモデルを用いて,睡眠がデンタルバイオフィルム構成細菌数に与える影響を定量的に測定するとともに,睡眠がデンタルバイオフィルムの構造および細菌叢に与える影響に関しても包括的に解析した。 デンタルバイオフィルム構成細菌数は睡眠により変化しないが,睡眠後にはPrevotella属などの偏性嫌気性細菌の割合が高くなること,および睡眠中は菌体外多糖の産生が低下することが明らかとなった。
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