本研究では,歯髄幹細胞(DPSC)のみからなる集合体を無髄歯根管内に移植することで歯髄再生を達成する,新たな歯髄再生技術の確立を目指した. 本研究の結果,DPSC集合体を血管内皮細胞分化誘導培地で培養することで,集合体内に血管様構造が形成されることが分かった.さらに,血管構造をもったDPSC集合体は高い歯髄再生能を有することが示された.また,神経細胞分化誘導培地で培養した集合体内部には,組織学的・電気生理学的検討から,イオンチャネルをもった神経細胞が形成されていることが分かった.これらの結果から,作製したDPSC集合体は,機能的な歯髄再生を可能にする新規生体材料として応用できる可能性が示された.
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