我が国の高齢者は増加の一途をたどり,それに伴い国民医療費も増加し続けている.高齢者の多くは糖尿病などの慢性疾患を有している.糖尿病は歯周病を含む様々な疾患と関連していると報告されている.また,老化した細胞が分泌する因子(SASP因子)が慢性炎症を誘導し,歯周病や糖尿病の悪化に関与することが示唆されているが,現在までに直接的な検証はほとんどない.よって,本研究によって歯周病-老化-糖尿病の相互的な関連性の解明,老化細胞除去による新たな治療戦略を確立する一助となることを目指すことは,超高齢社会において医療経済的にも非常に重要な意義を持つ.
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