研究課題/領域番号 |
20K23140
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研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
大内 玲 茨城キリスト教大学, 看護学部, 講師 (90880493)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | PICS / ICU退室後症候群 / 身体機能障害 / 感覚機能障害 / 慢性疼痛 |
研究実績の概要 |
集中治療室(ICU)退室後に何らかの苦痛症状が続き、精神神経系の異常や生活動作が長期的に障害され、生活の質が低下する患者が一定数いることが報告されている。うつや不安、心的外傷後ストレス障害などの精神障害の有病率について調査が進められてきており、日本国内の報告も散見されるようになった。しかし、慢性疼痛や感覚機能障害などの詳細な身体機能障害の実態や、そのリスク因子に関しては明らかになっていない。患者の生活を阻害するこれらの障害に対して予防策を考え、フォローアップしていくことが必要である。 本研究の目的は、ICU退室患者における身体・感覚機能障害発生の実態を調査し、リスク因子を明らかにすることである。 ICUで24時間以上の人工呼吸管理を受けていた重症患者に対し、ICUを退室後6ヶ月経過した時点で、視覚、聴覚、嗅覚などの感覚機能障害や慢性疼痛、健康関連QOLなどの身体・感覚機能障害を中心とした調査を、郵送質問紙を用いて行う。同時に、ICU入室中の患者データを収集し、関連因子の探索を行う予定である。 現在、2施設の研究協力施設において、倫理審査を終え、調査を開始している。52名の対象患者に対して調査票を送付し、返送率は70%程度である。COVID-19感染拡大の影響で、病床利用制限が不定期に生じていたため、対象患者数が少ない状態である。データ収集期間を延長し、引き続きデータ収集を行い、解析、論文投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
倫理審査を終え本調査を開始したが、長期的なCOVID-19感染拡大の影響による不定期な病床利用制限のため、予定より対象患者が少ない状態である。前年度中に調査を終え、解析予定であったが、必要サンプル数が不足している。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集期間に関する倫理審査の変更申請を行ったため、引き続きデータ収集を継続して実施する。予備調査について、研究論文を執筆中であり、次年度に論文投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度にデータ解析と論文投稿を行う予定であったが、COVID-19の感染が流行している中で予定症例数が集まらずデータ解析と論文投稿まで至らなかった。そのため、次年度にデータ解析と論文投稿を予定しており、論文投稿費用、英文校正費用に使用する予定である。
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