研究課題/領域番号 |
20K23249
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大須賀 聡 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (90884180)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 慢性腰痛症 / 運動療法 |
研究実績の概要 |
外乱動揺に対する筋反応の遅延は腰痛症の発症および再発との関連が示されているが,具体的にどのような運動療法プログラムが効果的かは解明されていない.本研究は(1)体幹回旋方向への外乱動揺に対する体幹筋反応を評価する装置を開発し,(2)外乱動揺に対する体幹筋反応を改善する運動療法プログラムを明らかにすることを目的とする.外乱動揺への体幹筋反応の改善方法を確立することは,慢性腰痛症の治療に寄与するものと考えられる.また,本研究にて使用する運動療法は特別な機器を必要としないため,慢性腰痛症の予防に対しても広く活用されることが期待される. 令和2年度は,体幹回旋方向への外乱動揺を与える装置を開発し,健常成人を対象として本装置と表面筋電計を使用することで,外乱動揺に対する体幹筋の筋活動を測定可能であることを確認した.また,得られた筋活動データから外乱動揺に対する体幹筋の反応時間を解析する上での,外乱負荷量などの計測条件の詳細に関する検討を行った. 次に慢性腰痛症例17名を対象に,腹部引き込み運動による運動療法介入を実施し,体幹屈曲方向,体幹伸展方向それぞれの外乱動揺後の体幹変位量および日常生活障害度への影響を検討した.日常生活障害度の評価には質問紙Oswestry disability indexを使用した.介入後,日常生活障害度は有意に低下したが,体幹変位量に有意差は認められなかった.以上より,腹部引き込み運動による日常生活障害度の介入効果は外乱動揺に対する体幹安定性の向上以外の機序が関与している可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により測定環境の整備に時間を要し,データの収集が当初の予定通り実施できなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,慢性腰痛症例を対象として,体幹深層筋の活動を賦活する運動療法が外乱動揺に対する体幹筋反応に与える影響を検討する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は外乱動揺装置の開発を行ったが,データの収集は計画通り実施できなかった.本年度は慢性腰痛症例を対象とした測定を予定しており,被験者謝金として使用する予定である.
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