研究課題
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
ナノスケールの高温超伝導体と強磁性体の界面において、高温超伝導体の強い異方性と酸化物強磁性体の高いスピン偏極率に起因する、非従来型の交換相互作用・スピン輸送・近接効果を明らかにした。また、強磁性体の電気抵抗率を変えることで、磁性と高温超伝導の相互作用のメカニズムを切り替えることが可能であることが分かった。これらは、高温超伝導/強磁性界面を用いたナノエレクトロニクス素子を設計・制御する上で重要な知見であるといえる。
超伝導
超伝導エレクトロニクスは高速・低消費電力の古典演算だけでなく超伝導量子コンピューティングにも役立つため、その実用化に向けた研究が精力的に行われている。超伝導エレクトロニクスには金属超伝導体が主に用いられるが、本研究によって、酸化物高温超伝導体でのみ観測される磁性と超伝導の強い相互作用が実証され、新たな機能性を有する酸化物超伝導エレクトロニクスの実現につながる知見が得られた。