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2022 年度 実施状況報告書

COVID-19対策から見た国家能力の再検討:ラテンアメリカ諸国の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0024
研究機関名古屋大学

研究代表者

岡田 勇  名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (00650649)

研究分担者 宮地 隆廣  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80580745)
菊池 啓一  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターラテンアメリカ研究グループ, 研究員 (80735374)
舛方 周一郎  東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (40734538)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2026-03-31
キーワードCOVID-19 / ラテンアメリカ / 国家能力 / 社会福祉 / 行政サービス
研究実績の概要

国際的な人の移動が順次緩和されたことから、国際共同研究を実地にて遂行する環境条件が整ってきている。そうした中で、研究メンバーの個別研究を軸とした国際研究集会の開催に向けた準備を行なった。
2022年4月8日に研究会を実施し、研究代表者と研究分担社は個別の研究テーマについて構想を発表した。その一方で、2022年6-8月にかけて、メタ(旧Facebook)が2020年から2022年に実施した世界大でのCOVID-19に関する日毎の大規模オンラインサーベイについて、データの所有権者であるメタと米メリーランド大学と調整を行い、学術目的での使用許可を得ることに成功した。このデータは、本研究課題が行う独自調査について何が必要とされるかを特定する上で大変有意義なものであり、尚且つ各研究メンバーの研究テーマにとっても有益である。
2023年7月15-19日の国際政治学会(IPSA)ブエノスアイレス大会にて、本研究課題に関するパネルを開催することとした。11月までにパネル応募が採択された。その後パネルについてペーパーの公開募集を行い、国立ペルナンブコ自治大学(ブラジル)のマルクス・アンドレ・メロ教授、トルクアト・ディ・テラ大学(アルゼンチン)のジェニファー・シール准教授をパネルに招いた他、ラテンアメリカ複数国の研究者をパネルに招くことに成功した。2023年3月までに応募採択されたペーパーを含め、合計7本のペーパーからなる国際パネルについて主催者より採択され、7月の報告に向けて鋭意準備中である。
他方で、それまで日本で実施していたCOVID-19関連の論文が国際ジャーナルに複数採択された。これは日本のコンテクストではあるものの、COVID-19に関する行動変容と政府の政策について取り上げ、これまでの文献レビューや方法論についての経験を高める重要な素地となっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国際的な人の往来に一定の支障があったものの、多面的に計画を推し進めることについて早期に合意形成を行い、データ収集や国際会議の準備に向けた作業を順調に進めることができたため。

今後の研究の推進方策

今後、主に以下の2点について推進する計画である。
第1に、2023年7月15-19日に開催予定の国際政治学会ブエノスアイレス大会にて、研究報告を行うとともに、ラテンアメリカ研究者とのネットワーク形成を進める。この機会は、その後に共著書あるいはジャーナル特別編集号にて論文発表を目指すための足掛かりとしたい。さらに、できれば論文の執筆状況に照らして、国際ワークショップを改めて別の機会に開催することも考えている。
第2に、予定されているサーベイ実施に向けて準備を進めたい。そのためにまず、メタ社と米メリーランド大学から提供されたデータを用いた分析を進める。そこから得られた知見及び文献レビューを元にして、何が明らかになっていないか、問うべき仮説は何か、どの点に有意義な貢献がなされるべきかを精査する。上記の国際ネットワークを有効に活用し、ワークショップのような形で実査前に調査計画を推敲する機会を設けたい。他方で、調査は特定の国で行われる可能性が高いことから、その国でのCOVID-19政策の展開について詳細な知見を集めるよう準備を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

2022年度半ばまで、パンデミック下での国際的な人の往来が難しく、当初予定されていた現地調査について計画修正を余儀なくされたため。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ブラジルにおける政治的分極化と「消えゆく民主主義」の克服2023

    • 著者名/発表者名
      舛方周一郎
    • 雑誌名

      イベロアメリカ研究

      巻: 44 ページ: 1-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ブラジル三権襲撃事件を引き起こした政治的分極化と陰謀論2023

    • 著者名/発表者名
      舛方周一郎
    • 雑誌名

      フォーサイト

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] ブラジルはどこに向かうのか―独立200周年と大統領選の2022年に考える2023

    • 著者名/発表者名
      子安昭子、マウロ・ネーヴェス、竹下幸次郎、田村梨花、舛方周一郎
    • 雑誌名

      Encontros Lusofono

      巻: 24 ページ: -

  • [雑誌論文] Descriptive, injunctive, or the synergy of both? Experimenting normative information on behavioral changes under the COVID-19 pandemic2022

    • 著者名/発表者名
      Okada Isamu、Yanagi Itaru、Kubo Yoshiaki、Kikuchi Hirokazu
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2022.1015742

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] COVID-19 health certification reduces outgroup bias: evidence from a conjoint experiment in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Kubo Yoshiaki、Okada Isamu
    • 雑誌名

      Humanities and Social Sciences Communications

      巻: 9 ページ: -

    • DOI

      10.1057/s41599-022-01324-z

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 罰則による市民の行動変容 ―緊急事態宣言下の外出に関するシナリオ実験2022

    • 著者名/発表者名
      柳至、岡田勇、菊池啓一、久保慶明
    • 雑誌名

      行政管理研究

      巻: 178 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] COVID-19対策において医療信頼が行動変容に及ぼす効果2022

    • 著者名/発表者名
      岡田勇、柳至、久保慶明
    • 雑誌名

      選挙研究

      巻: 37(2) ページ: 37-56

  • [雑誌論文] ブラジル「ルーラ新政権」に期待される国際社会での信頼回復2022

    • 著者名/発表者名
      舛方周一郎
    • 雑誌名

      フォーサイト

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] ブラジル大統領選「ルーラ勝利」でも根深い「ボルソナーロ派」との分断2022

    • 著者名/発表者名
      舛方周一郎
    • 雑誌名

      フォーサイト

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] ボルソナーロ政権にも浮上「ブラジル政治」が繰り返す汚職の歴史2022

    • 著者名/発表者名
      舛方周一郎
    • 雑誌名

      フォーサイト

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] 否定的党派性と2022年ブラジル大統領選2022

    • 著者名/発表者名
      菊池啓一
    • 雑誌名

      IDEスクエア

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] 2021年アルゼンチン中間選挙ー与党連合敗北の要因とその影響ー2022

    • 著者名/発表者名
      菊池啓一
    • 雑誌名

      ラテンアメリカ時報

      巻: 1438 ページ: 26-29

  • [学会発表] 地域と世界を往還する思考ー分極化するブラジル政治の行方2023

    • 著者名/発表者名
      舛方周一郎
    • 学会等名
      上智大学大学院国際関係論専攻講演・研究発表会
    • 招待講演
  • [学会発表] ブラジルはどこに向かうのか―独立200年と大統領選の2022年に考える―2022

    • 著者名/発表者名
      舛方周一郎
    • 学会等名
      イベロアメリカ研究所 <Sophia Open Research Weeks参加企画>
    • 招待講演
  • [学会発表] ブラジル大統領選挙:国内の分極化と期待される信頼回復2022

    • 著者名/発表者名
      舛方周一郎
    • 学会等名
      ラテン・アメリカ政経学会
  • [図書] 世界の中のラテンアメリカ政治2023

    • 著者名/発表者名
      舛方周一郎、宮地孝廣
    • 総ページ数
      328
    • 出版者
      東京外国語大学出版会

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公開日: 2023-12-25  

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