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2023 年度 実施状況報告書

核軍縮を見据えた次世代の核戦略をめぐる国際共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0025
研究機関早稲田大学

研究代表者

栗崎 周平  早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (70708099)

研究分担者 岩波 由香里  東京大学, 社会科学研究所, 教授 (40635447)
広瀬 健太郎  新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (90764738)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2025-03-31
キーワード核抑止 / 核軍縮 / ゲーム理論 / エスカレーション / 精緻誘導兵器 / 技術革新
研究実績の概要

当初の計画どおり、研究代表者である栗崎は昨年度から引き続き8月までスタンフォード大学の国際安全保障研究所 (CISAC)に所属し在外研究を行なった。CISACでは、核兵器をめぐる研究者 (政治学、歴史学、工学、実務経験者、技術者)が多数在籍し日々の意見交換や毎週のセミ ナーを通じて、多様な角度からの核兵器をめぐる諸問題を中心とした 国際安全保障問題について議論をする機会に恵まれている。こうした中で当初の研究課題で あった「核兵器による報復攻撃に基づかない核抑止戦略」に関する理論モデルの開発に着手し、その中核となるアイディアを論文("Leadership Targeting in Nuclear Deterrence Theory: Its Ethics and Strategy")として執筆した。この論文はまだ追加の分析などが必要であり引き続きワーキングペーパーではあるが、2023年のCISAC内でのワークショップで改訂版を報告した。また米国滞在中では2023年5月にイェール大学で開催されたNuclear Securityワークショップに参加し、現在北米を中心に実証的ないし数理的なアプローチで核兵器をめぐる安全保障研究を行う研究者を一堂に集める研究会議に参加した。ここでは若手が報告しシニア研究者が討論者に回るとうルールであったため研究報告は行わず討論を行なった。他にも核兵器の脅威にさらされる日本などの諸国が採用するミサイル防衛の代替としての先制攻撃による損害限定作戦と抑止との関係性に関する理論研究に着手しておりこれは元教子である防衛研究所の本山功氏と共同で数理モデルを用いた分析を展開中である。その他の協力者であるフィアロン教授の不確実な早期警戒と先制誘因の下での核エスカレーションのリスク分析、シュルツ教授のNuclear Screeningモデルも共同で検討を行なってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

数理分析が当初の想定よりも計算が収束せず拡散している。現行の政策が直面する課題の理論化(MAD仮定のリラックスのアプローチや、Damege Limitationとクレディビリティ、先制攻撃のコミットメントとミリタリの双方でも逓増効果など)は一定の決着はついており、それが示唆するアップデートされたモデルとその均衡の直感的なスケッチはできているものの、それを扱いが妥当な閉じた解として表現すること、モデルの他のパラメータとの整合的な設定などをもう暫く時間をかけて検討する余地がある。

今後の研究の推進方策

Leadership punishmentの論文を完成させる。東京に招聘するワークショップの予定を立てる。その為のアジェンダ設定として故Robert Powellが研究代表者(栗崎)と生前にメールやり取りの中で提示した、核抑止理論の改訂の構想についてまとめて世に出す作業をする必要がある。これをワークショップ会議の一つのorganizing frameworkとすると同時に、参加者とのEdited Volumeの作成へのプロポーザルとする。

次年度使用額が生じた理由

主に北米に在住する研究協力者らを東京に招聘して研究会議を予定するも、研究代表者が在外研究のため8月まで米国に滞在しており、他の招聘者たちのスケジュール調整が不調に終わり、その予定を翌2024年度に繰り越したため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A matter of trust: Public support for country ownership over aid2024

    • 著者名/発表者名
      Hirose Kentaro、Montinola Gabriella R.、Winters Matthew S.、Kohno Masaru
    • 雑誌名

      The Review of International Organizations

      巻: x ページ: xxx-xxx

    • DOI

      10.1007/s11558-024-09534-7

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 実証国際政治学ーパワー分布と戦争発生ー2024

    • 著者名/発表者名
      広瀬健太郎
    • 雑誌名

      国際地域学の課題

      巻: x ページ: 148-156

  • [学会発表] Foreign Nuclear Deployments and the Success or Failure of Extended Nuclear Deterrence2023

    • 著者名/発表者名
      Yukari Iwanami
    • 学会等名
      The Osaka Workshop on Economics of Institutions and Organizations (OEIO)
  • [学会発表] Foreign Nuclear Deployments and the Success or Failure of Extended Nuclear Deterrence2023

    • 著者名/発表者名
      Yukari Iwanami
    • 学会等名
      Political Science研究会 琉球大学
  • [学会発表] Leadership Targeting in Nuclear Deterrence Theory: Its Ethics and Strategy2023

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Kurizaki
    • 学会等名
      CICAS Nuclear Reading Group

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公開日: 2024-12-25  

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