研究課題/領域番号 |
20KK0073
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 浩晃 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30301930)
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研究分担者 |
宮町 宏樹 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (30182041)
松島 健 九州大学, 理学研究院, 教授 (40222301)
山下 裕亮 京都大学, 防災研究所, 助教 (80725052)
大園 真子 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10623837)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 超低周波地震 / 千島海溝 / 根室沖 / プレート間固着 |
研究成果の概要 |
ロシア・カムチャツカ海溝でのスロー地震複合観測研究を計画したが、新型コロナウイルス感染症と紛争で現地渡航が困難となったため、研究対象を千島海溝南部根室沖に変更してスロー地震の探索を行った。先行研究によるVLFE(超低周波地震)とされた886イベントについて、国内及び北西太平洋地域の広帯域地震計の波形を走査した結果、遠地地震の位相をVLFEと判定したものがほとんどであり、根室沖ではVLFE活動が極めて低い可能性が明らかになった。根室沖プレート境界では、測地データからも強い固着が推定された。これらの結果は、根室沖の浅部プレート境界が将来発生する巨大地震の大すべり域となる可能性を示唆するものである。
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自由記述の分野 |
地震学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
根室沖でVLFEの活動度が低い事実は、測地データにより強いプレート間固着が推定されていることと調和的な結果であり、VLFEが巨大地震のすべり域を規定している可能性を支持する。千島海溝南部では、M8.8程度以上の超巨大地震の発生が切迫していて、国の被害想定では津波により最大約10万人の死者数が示されている。VLFEの低活動度やプレート間固着の結果は、津波を効率的に励起する蓋然性が高いことを示す科学的なデータであり、津波が想定される地域では、十分な防災対策を行うことが必要であることを支持する結果である。
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