研究課題/領域番号 |
20KK0175
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 教授 (40192190)
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研究分担者 |
人羅 勇気 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 准教授 (00755308)
甲斐 広文 熊本大学, 薬学部, 客員教授 (30194658)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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キーワード | 天然資源 / エジプト / 難病治療薬 |
研究実績の概要 |
本研究では、エジプトの豊富な有用天然資源から、新興感染症や難病に対する治療薬候補を発見することを目的としている。コロナ禍のため、研究代表者や分担者によるエジプトでの調査や採集を実施できなかったが、エジプトの共同研究者により採集された植物や真菌を用いて研究を進めた。 2023年度は、エジプトで単離された真菌 HC2 株が、さまざまな骨格を有する化合物を複数産生していることがmolecular networking解析により示唆されたので、HC2 株を培養し成分を探索した。初めに、米培地(米800 g)を用いて真菌を25度で3週間培養した。n-ブタノールで抽出し、濃縮後に酢酸エチルと水で分配した。酢酸エチル画分をn-ヘキサンと90% メタノール-水で分配し、90% メタノール-水画分(4.4 g)をシリカゲル、逆層ゲルカラムクロマトグラフィー、および高速液体クロマトグラフィーで精製し、neocyclocitrinols A-D、pennicitrinone C、quinolactacins A, C1, C2, Eなど9種類の既知化合物を単離した。さらに、ステロイド骨格にchromenone誘導体が結合した新規性の高いヘテロダイマーの単離に成功した。当該化合物の平面構造は決定したが、2箇所の立体配置については核磁気共鳴スペクトルや計算化学により解析するとともに、誘導体に導くことにより検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍のためエジプトでの採集はできなかったが、エジプトの共同研究者に植物や真菌を送ってもらい、難病治療薬のシーズを探索した。そして、研究成果を学会で発表し(第23回天然薬物の開発と応用シンポジウム、第9回食品薬学シンポジウム)、論文投稿した(Phytochemistry 206, 113548, 2023)。さらに、エジプトで単離された真菌 HC2 株から新規性の高いヘテロダイマーを単離し平面構造を決定することに成功した。以上により、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者によりエジプトで単離された真菌 HC2 株から新規性の高いヘテロダイマーを単離し平面構造を決定したが、現在、立体配置を検討中である。絶対立体配置を含めた構造を決定した後、学会で発表し論文を投稿する。また、他にも単離した化合物があるので研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020-2022年度はコロナ禍のため、研究代表者や分担者によるエジプトでの植物資源の調査や採集を実施することができなかった。そのため、次年度使用額が生じた。しかし、その間、エジプトの共同研究者により植物や真菌を送ってもらい研究を実施することができた。今年度は本研究の最終年度として、これまでに収集したエジプトの天然資源を用いて、有用成分の探索の総仕上げとする。
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