• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

心停止ドナーからの肺移植後虚血再灌流障害のトランスレーショナルリサーチと治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0203
研究機関岡山大学

研究代表者

岡崎 幹生  岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (50467750)

研究分担者 坂上 倫久  愛媛大学, 医学系研究科, 講師(特定教員) (20709266)
豊岡 伸一  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30397880)
塩谷 俊雄  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (90851246)
田中 真  岡山大学, 大学病院, 助教 (20831308)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2025-03-31
キーワード肺移植 / 虚血再灌流障害 / 心停止ドナーからの肺移植
研究実績の概要

終末期肺疾患の唯一の治療法である肺移植の本邦における治療成績は良好であるが、ドナー不足は深刻な問題であり、心停止ドナーからの肺移植の臨床応用が期待される。しかし、脳死・生体ドナーからの肺移植に比べ、心停止ドナーからの肺移植では移植肺機能不全に陥りやすく、その主因は温虚血による虚血再灌流障害と考えられる。これまで我々は、申請者が世界で初めて開発したマウス肺移植モデルを応用し、心停止ドナーからの肺移植後の虚血再灌流障害は生体・脳死肺移植後の虚血再灌流障害とは異なった病態であることを示してきた。次の段階としてヒトでの検討が重要な鍵となる。心停止ドナーからの肺移植で先進的なスペインPuerta de Hiello大学病院とヒト検体を用いた国際共同研究で、マウスで得た知見をヒトに展開することで、心停止ドナーからの肺移植後の虚血再灌流障害のメカニズム解明と治療法の確立を目指す。共同研究機関であるスペインのPuerta de Hiello大学病院で脳死ドナーと心停止ドナーからの肺移植の臨床検体を採取した。移植後の移植肺サンプルからRNAの抽出を行い、次世代シークエンサーによる網羅解析を行った。脳死ドナーと心停止ドナーの間に興味深い著明な差がある遺伝子を多数同定できた。また、DBDからの移植肺では間質性肺炎などで認められる炎症シグナル遺伝子群の発現が有意に高い結果であるのに対して、DCDからの移植肺では肺癌などの症例で見られる細胞分裂に関わる遺伝子の発現亢進が認められ、DBD群での遺伝子発現プロファイルとは全く異なるものであることを突き止めた。また、免疫染色によって、タンパク質レベルでも炎症シグナルや細胞分裂シグナルの違いを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

共同研究機関であるスペインのPuerta de Hiello大学病院で脳死ドナーと心停止ドナーからの肺移植の臨床検体を採取した。移植後の移植肺サンプルからRNAの抽出を行い、次世代シーケンサーによる網羅解析を行った。脳死ドナーと心停止ドナーの間に興味深い著明な差がある遺伝子を多数同定でき、それらの免疫組織学的評価もできた。日本では、心停止ドナーからのマウス肺移植モデルを確立できた。また、虚血再灌流障害の病態形成に重要な遺伝子候補であるNr4a1のノックマウスを用いてマウス同所性肺移植を行っており、本研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

スペインで採取した移植後の移植肺サンプルからRNAの抽出を行い、次世代シークエンサーによる網羅解析を行ったところ、脳死ドナーと心停止ドナーの間に興味深い著明な差がある遺伝子を多数同定できた。これらを免疫組織学的にも評価した。また、日本では虚血再灌流障害の病態形成に重要な遺伝子候補であるNr4a1のノックマウスのマウス同所性肺移植を行っている。いずれもデータはかなり揃ってきており、現在論文投稿準備中であるが、今後論文を投稿していく。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響により、2020年、2021年は予定していたスペインへの渡航および滞在ができなくなり、次年度使用額が生じる原因となっている。2022年度、2023年度は現地に滞在できたので、次年度も現地に滞在し、研究をすすめる。スペインでは、脳死ドナーと心停止ドナーからの肺移植の臨床検体を採取し、次世代シークエンサーで網羅解析し、興味深い結果が得られたが、免疫染色等追加するため、各種抗体、染色用試薬の費用に使用する。また、日本側では、ノックアウトマウスマウスを用いた実験をすすめ、実験動物、実験用縫合糸の他、ウエスタンブロッティング・PCR等に使用する各種抗体、染色用試薬、次世代シーケンサーに使用する。また、現在論文投稿準備中であり、英文校正費、論文投稿費にも使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] Puerta de Hiello大学(スペイン)

    • 国名
      スペイン
    • 外国機関名
      Puerta de Hiello大学

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi