本国際共同研究では、脳梗塞や新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する創薬標的分子としてニューロセルピン(NSP)およびα2アンチプラスミン(α2AP)に着目した。脳梗塞および新生児HIEマウスにおける脳傷害が、NSP投与により有意に抑制され、そのメカニズムとしてNSPによるERストレスや酸化ストレスの軽減が示唆された。また、α2APが脳梗塞後の脳室下帯における神経新生を抑制していることが明らかになり、α2APの機能抑制を介した内因性神経新生の促進により神経機能障害が回復する可能性が示唆された。本研究成果は、虚血性脳疾患における神経機能再生・回復を狙った薬物療法の開発に繋がると期待される。
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