研究課題/領域番号 |
21242025
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
服部 良久 京都大学, 文学研究科, 教授 (80122365)
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研究分担者 |
朝治 啓三 関西大学, 文学部, 教授 (70151024)
渋谷 聡 島根大学, 法文学部, 教授 (30273915)
山辺 規子 奈良女子大学, 文学部, 教授 (00174772)
山田 雅彦 京都好大学, 文学部, 教授 (90202382)
渡邊 伸 京都府立大学, 文学部, 教授 (70202413)
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キーワード | 中・近世 / ヨーロッパ / コミュニケーション / 政治的言語 / 都市 / 宮廷 / 紛争解決 / メディア |
研究概要 |
8月の第3回研究会では研究計画の分野C.地域・都市共同体のコミュニケーション・秩序・紛争についてイングランド王のボルドー支配、南仏都市の領域秩序、都市の中の他者(マイノリティ)、イタリア都市の象徴的空間構成、党派と政治的コミュニケーション、スイス農村の紛争解決を対象とする6人の研究分担者の報告と議論が行われた。3月の第4回研究会では第3回に続き、分野Cについて、フランス王の紛争解決、都市自治と司教権力、イタリア都市コムーネ間の紛争解決、ネーデルラント都市の贖宥、クレタの裁判における異文化コミュニケーション、宗教改革における信仰討論に関する報告と議論が行われ、裁判、討論、仲裁、贖罪など多様なメディアとコミュニケーションによる紛争解決と共同体(間)、地域、王国、教会の秩序の特質が明らかになった。前年度と本年度の2回の研究会により研究分担者全員が個別研究の成果を報告した。それにより研究計画に挙げた各地域と時代における多様なコミュニケーションと紛争・秩序の相互関係に関する認識が共有され、次年度以後の各自の、そして全体の課題が確認された。 この間の7月にはミラノ大学の若手研究者、A・ガンベリーニを招聘し、同氏のルネサンス期イタリアにおける国家形成と政治的言語に関する講演を受け、政治的コミュニケーションのプロセスとメディアについて議論を行った。8月には研究代表者が研究協力者の所属するミュンスター大学(独)独立行政法人を訪問し、主に若手研究者に対して本科研の計画、目的、同大学の研究プロジェクトとの比較などについて講演し、意見交換を行い、今後の研究交流を確認した。9月末には研究代表者がパリ大学とミラノ大学の共同研究プロジェクトによる学会「政治社会における言語」(ミラノ大学)に招聘され、総括討論者をつとめ、主催者および各国の研究者と本科研との研究交流について協議した。10月には九州西洋史学会において「西洋中世盛期・後期における宮廷とコミュニケーション」と題するシンポジウムを行い、本科研から4人が分野Aの研究成果を報告し、議論した。以上の国内外における活動は全て本科研のHPに掲載した。また本年度末には研究分担者の2年間の成果である論文と活動報告をすべて掲載した中間成果報告書(約250頁)を刊行し、関係者、研究機関に送付した。
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