研究課題/領域番号 |
21244085
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 拓也 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (50294145)
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研究分担者 |
松田 准一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80107945)
辻森 樹 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (00436833)
太田 努 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助手 (80379817)
山下 勝行 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (50322201)
宮川 千絵 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助手 (20530207)
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キーワード | 希ガス / 同位体 / 地球化学 / マントル / 物質循環 |
研究概要 |
本年度は、中国東南部各地から採取したマントル捕獲岩の希ガス同位体分析を完了した。この地域の大陸下lithosphereは比較的最近に大規模な剥奪過程を経験したことが先行研究などにより提唱されており、希ガス同位体がどのような特徴を示すかで、大陸中央部のlithospbereの進化過程に制約条件を与えうると期待できる。分析した試料の特徴としては一様に希ガス含有量がオーストラリアで産出する同様の岩石と比べて少なく、結果として同位体分析もかなり困難であった。ヘリウムの同位体が典型的な上部マントルの億よりも10-20%低い億を示すものもあったため、比較的最近のガスの寄与というよりは、ある程度の期間マントル内で放射集変起源成分の蓄積された領域が存在し、その領域に起因する流体が付加されたものであると推定できる。また、インド洋意の玄武岩試料の分析も完了し中央インド洋海嶺のセグメント毎に明確なヘリウム同位体比の特徴の違いを発見した。一部のセグメントで明確にレユニオンマントルブルームに起因する成分の寄与を発見するとともに.あるセグメントでは上部マントルの値よりも低い3He/4Heが発見され、その様な値は脱ガスを経験した上部マントルがその後少なくとも1000万年以上の期間放射起線のヘリウムを蓄積し、その領域からのガスが特定のセグメントにヘリウムを供給する必要がある。上記2つの研究は対象は異なっているが、いずれも上部マントル内でのローカルな同位体進化を反映した同位体不均一の存在を示唆しており、地球内部の同位体進化を探る上で今後考慮すべき事柄である。また、一部のダイアモンドで見られるネオン同位体の特徴を解釈するために、ネオンの同位体進化曲線をモデル計算し論文として発表した。昨年度来から継続したオーストラリア東部の研究については論文を発表するとともに国際学会にて発表を行った。
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