研究課題/領域番号 |
21300273
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
長野 宏子 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40074984)
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研究分担者 |
粕谷 志郎 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (20021438)
鈴木 徹 岐阜大学, 連合農学研究科, 教授 (20235972)
下山田 真 宮城大学, 食産業学部, 教授 (60235695)
村山 美穂 京都大学, 野生動物研究センター, 教授 (60293552)
堀 光代 岐阜市立女子短期大学, 食物栄養科, 講師 (90320952)
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キーワード | パン / 発酵食品 / アレルゲンタンハク質 / 微生物 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
紀元前から人々の暮らしを支えたパンの機能性の特徴を明らかにすることと、世界のパンの「かけら」や「ドウ」の微生物の遺伝子解析を目的としている。 パンの発酵は、パン酵母Saccharomyces cerevisiaeが一般的に使われている。昨年度は保存株Saccharomyces cerevisiaeと、世界各地から採集した「パン欠片」に存在するパン酵母の遺伝学的解析の可能性を探った。今年度は、世界のパン、さらに日本の天然酵母パンを全国から購入して実験材料に加えた。 世界のパン欠片を小麦や大麦、米、いも、とうもろこしなどの主要農作物との関わりを検討した結果、パン中の微生物は、全てに酵母と形態の異なる乳酸菌などの微生物が存在していた。小麦タンパク質の分解が多く見られ、小麦アレルギー患者の反応するタンパク質が減少していた。また、日本各地の天然酵母パン中にも、微生物の形態に差があり、小麦タンパク質アレルギー30kDa付近の小麦タンパク質の減少が見られたものもあり、血圧降下作用のあるGABA等のアミノ酸含有も多かった。低アレルゲン表示天然酵母パンは、アレルゲン部分が残っているものもあり、卵や牛乳などを含んでいないことを表示していることが考えられる。 バン酵母の遺伝学的解析の対象微生物は、市販天然酵母「パン欠片」も加えた。微生物のDNA抽出にはDneasy Blood & Tissue Kit (QIAGEN)を用いた。S.cerevisiaeのマイクロサテライト6領域のアリル頻度のデータから近隣接合法により、系統樹を作成する。S.cerevisiae保存菌株、市販・天然酵母、特に焼成したパンやパン欠片からのDNA抽出は可能であったことから、試料数を世界、日本と増やし検討を続けている。 3年間のまとめとして国際家政学会(XXII IFHE World Congress 2012)にて「Diversity of baker's yeast Saccharomyces cerevisiae in the bread of the world」の発表を受理されている。
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