研究概要 |
(1)内外の大学への訪問調査 ベトナムのベトナム国立大学(VNU)ハノイ校と,台湾の東呉大学,国立台湾大学(NTU)を訪問し,PFFやTA研修を中心に,教員サポート,学生サポートなどについても,調査した。 (2)北米型のPFFの実践的研究 カリフォルニア大学バークレー校から2名の講師を招いて,1週間集中型の北海道大学の大学院生向けの英語による研修を行った。この方式は過去に3階実践済みであるが,講師の補助的作業を行うチューターとしてこの研修会の受講経験者を採用したところ,受講者が英語による他会ハードルを越えやすくするのに大いに役にたつなど,研修効果向上のためのノウハウの蓄積ができた。 (3)PFFの試行の蓄積と検討 今年度も北海道大学の若手教員に対する教育ワークショップを2回行った。これは,受講者が大学院生のときには本格的なPFFが無かったことから,北米型のPFFにも準じると考えられる。北海道大学院生には,PFFにあたる内容を取り上げた大学院共通授業を1学期1授業,2学期1授業を行った。また,4月初めには,1日制の全学TA研修会を行った。これは午前中は全員を大講堂に集め北大の初年次教育の仕組み,TAの心得についての講演,TA経験者,教員をパネラーに招いてのパネル討論を行い,午後は担当する科目の種類に応じて14の分科会に別れて行うものであり,学内から多数の教員の協力を得ている。分科会担当者が集まってその内容を互いに披露しのて相互研修の効果もあり,分科会の内容も年々深まっている。 (4)日本型PFFの試作 日本のTAたちの業務内容は北米の独立授業型がほとんど無く教員の様々な補助活動を行うわけであるが,それでも「教員」としての自覚を促すための試みが重要であり,1日制の研修でもその点については効果がみられることが公演中のクリッカーによる調査などで観察されている。また,大学院生に対するPFF型授業では,教育に関する基礎知識にとどまらず,教員募集や科研費などについての応募書類の書き方に関する基本的考え方が重要なテーマとなる。
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