研究課題/領域番号 |
21320131
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松浦 茂 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (60145448)
|
研究分担者 |
村尾 進 天理大学, 国際学部, 教授 (10239478)
中砂 明徳 京都大学, 文学研究科, 准教授 (50237286)
|
研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | ヴラジスラヴィッチ / キャフタ条約 / 北京 / モンゴル国境 / イエズス会 / パラフォックス / 広東体制 / 陳昂 |
研究概要 |
研究代表者の松浦は、昨年に引き続いてヴラジスラヴィッチ著『中国の実力と現状に関する秘密の報告』の和訳と注に取り組んだ。全文の翻訳を終わっているが、今後さらに見直しを行なって、平成26年度に刊行することを目標としている。この課題に関連して、松浦はキャフタ条約の締結に至るまでのロ清両国の交渉を研究し、キャフタ条約に関して明らかにされていない多くの点を解明した。たとえば会議が初め北京で、その後はモンゴル国境の二か所で行われたのはなぜか、それから国境での交渉を主張する清が、ロシア使節の入国を認めて北京で交渉することになった理由は何か、といった問題である。とくに中華思想をふりかざす清に対して、ロシアが国際法の原則で交渉を妥結させたことを解明したことは、今後の研究にとり重要である。これらの成果については、平成25年度中に論文として発表する。 研究分担者の中砂は、イエズス会士の未公刊史料にもとづいて、メキシコの司教パラフォックス著『タルタリア人の中国征服史』の材料が、イエズス会の文書中にあることを発見し、相互に比較してパラフォックスの加筆部分を確定するとともに、マカオから見た王朝交替を記述する当該文書の内容を分析した。 研究分担者の村尾は、バチカン市国にある陳昂の奏摺の抄本を利用して、「広東体制」は、長崎を中心とした禁教・外国商人の管理という徳川日本の動向が、広州・マカオにまで伝播・拡張したものにほかならないこと、そしてこの事情を、イエズス会士書簡集やスウェーデン東インド会社管貨人の日記や漢文史料などに確認できることを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|